クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

オーストラリアビールガイドのブログ。
本日ご紹介するビールはこちら。
ジャカジャン!

クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

ついにでました。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)。
本日はオーストラリアのビールメーカー、クーパーズブルワリーが醸造する同社の中でも売り上げ1位、2位を争うこちらの製品。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)。
英語で言うと、
COOPERS SPARKLING ALE.

メーカー内の実際の売り上げでいうと次回紹介予定の「クーパーズオリジナルペールエール」というのがあるのですが、こちらが一番売れているそうです。
しかしまずはこちらの赤いラベル、スパークリングエールからの紹介です。
理由は私、オーストラリアビール太郎、は赤のほうが好きだからである(笑)。
細かなオフィシャル的な説明はオーストラリアビールガイド(http://www.oz-beer.com/)内の
クーパーズブルワリー紹介
のページや
クーパーズスパークリングエール (Coopers Sparkling Ale)(赤ラベル)
のページを参考にしていただきたいのですが、ここではもう少し砕けた私なりの思いも含めてまずはブルワリーの紹介から、そして次にビールの紹介へいきたいと思います。

こちらのクーパーズブルワリー、オーストラリアは南オーストラリア州、アデレードという所に本拠地を置くビールメーカーでオーストラリアでは老舗中の老舗。そんな表現がぴったりくるビール会社さん。

人によっては「南オーストラリア最強!!!」と言ったり「オーストラリアイチ!」と表現したりめちゃくちゃコアなファンも多い。

オーストラリアのビールシェアで言えば実際にこの醸造所は第3位を維持しておりまして、それはそれは本当にすごい会社なんです。
しかしこのビール会社がすごいのはその経営形態にあります。
オーストラリア国内、ビール3大メーカーのうち「フォスターズグループ」と「ライオンネイサン」とよばれる上位2企業は吸収、合併の繰り返し。もちろん経営方法も合理化海外式でドリンク業界のコングロマリット的な匂いがプンプンする超!がつく巨大企業。

しかーし!こちらのクーパーズはなんと細々と家族経営をつらぬく純粋なオーストラリア直系企業なのである。
実際のところは細々なんてものではなくて、めちゃくちゃの巨大企業ではありますが創設者のトーマスクーパー氏の意思を家族がしっかり受け継ぎ伝統の製法を守りながら、現在はトーマス氏から数えて5代目と6代目によりしっかりとマネージメントされております。
思わず他の2大メーカーよりもなんだかこちらを応援したくなっちゃう。そんな私の思い入れもあったりします。

ちなみにトーマスクーパー氏はこちら。ホームページから拝借してきました。

トーマス・クーパー氏

トーマスクーパー氏
(引用元 http://www.coopers150th.com.au/)
ヒゲ、長いよ、、、。

このトーマスさんの絵の中に「150 years&onward」の記載がありますが今年2012年はなんとクーパーズ誕生150周年記念なんです。
150周年を記念して限定ビールが醸造されたり、専用ホームページに歴史が紹介されたりとますますの盛り上がりを見せるクーパーズブルワリーなのでした。今後も目が離せません。

っと前置きが長くなりました。
スミマセン。
では本日紹介するビール、クーパーズスパークリングエールの紹介いきたいと思います。

こちらのスパークリングエール、「エール」の名が示す通り上面発酵という製法で造られたビールで日本で一般的に皆様が飲まれるビール、こちらは下面発酵という製法で造られているのですが、より香りが高くフルーティーなのが特徴となります。
しかもこのクーパーズ伝統の製造方法というのが一次発酵されたビールの酵母を生きたまま瓶詰めにし、瓶の中で二次発酵させるというもの。
すると瓶の中に澱(オリ)がたまるのですがこれこそがまさにクーパーズの証、このオリを一緒に飲むのが醍醐味だったりします。

原材料は麦芽とホップのみ。麦芽は一般的なビールに比べて惜しげも無くめちゃ増量。保存料、添加物等を一切含まないナチュラルテイスト。
二次発酵のお陰で製造直後のビールと若干寝かせた後のビールでは味わいがまた違うのが特徴。まさにビール界のワイン的存在。

今回のビールは製造から若干時間が経ったものと思われおそらくまろやかさが出始めているのではないかというものが手にはいりました。
アルコール度数は5.8%。飲んでるあなたをコロッと酔わせるやんちゃな一面もあり。
スペックだけ見るとなんだかめちゃくちゃそそられるビールに仕上がっているのですがスペックだけではないのがこのビールのすごい所。
それではビールの外観から少しずつ本製品にクローズアップしていきましょう。

丸い形にその色合いがとても印象的。「FAMILY BREWED」が家族(同族)経営を示唆。
クーパーズスパークリングエール

クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

ビールの王冠。クーパーズ赤ラベルの色使いそのまま。
2012年はブルワリー誕生150周年にあたるためこれ前後に造られたビールには「150 years&onward」の文字が。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

瓶のトップにもラベルが。通常は赤いカンガルーがプリントされているが現在は「150 years & onward」に変わっている。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

アルコール度数は5.8%、はかなり高い印象だ。
スタンダードドリンクは1.7。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

南オーストラリア州で作られた。357ml入り。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

日本国内で購入した場合はこのように日本語の説明書きラベルが貼られる。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

(保存してあり)置きっぱなしになっていた瓶をそっと持ち上げ透かしてみる。
瓶に色がついているものの、液体は澄んでいることがうかがえる。
あちら側が綺麗に透けて見えている。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

ゆ~っくりと瓶を逆さまに向けるとビン底から澱(オリ)が漂い始める。
見事なまでのカスっぷりだ。
ちなみに私はカスっぽけりゃカスっぽいほど好きだ。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

澱(おり)の粒子感がたまらない。
ちなみに、製造後間もないとこのオリがだいぶ細かく、粒子感は損なわれ、まるで小麦粉を溶かしているかのようなただの濁った液体に見える。
どちらもそれぞれ特徴があってヨロシ。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

それでは栓を抜く前に。
まず、クーパーズを開ける前の儀式と言えばこのようにビール瓶を倒して軽くコロコロと転がすこと。上の写真の様にビンを逆さまにしても良いが、倒してコロコロするのがオリを行き渡らせる正しい方法とされている。ちなみにオーストラリアのパブなどでビンのクーパーズを購入すると倒してコロコロと転がしてから提供される。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

栓抜きは必要なく手でひねれば栓が抜けるようになっている。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

グラスへ注ぐ。なるべくオリを一緒に飲みたいためやや激し目にグラスへ一気に注ぐ。
泡はかなり細かめ。ビールの液体も白く濁った感じ。やや濃い目の黄色に絵の具の白を混ぜたパインジュース的な色合い。そんな感じ。(伝わらんっちゅ~の。)
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

オリも一緒に入った。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

このにごり感。伝わりますでしょうか。
あちら側が透けては見えない。
クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

ではグラスへ注いだところでテイスティングへと移りたいと思います。
まずは香りから。

「クンクン・・・。」
うぉ~。こう来たか。
いやー、やべーなー。これ。
第一印象からメッチャ香り高いのがガッツーンと来きます。
フルーティーでハチミツ感が強い。それにマンゴー、パパイヤ、パイナップル系という感じ。
においなのに冷たい印象。冷たい香り。
この香りで普通のビールが1本飲めそう。って何じゃそりゃ。

我慢できません飲みます。ちょっとずつ行きます。
「グビッ・・・。(ズビズビ・・。ごくん。むは~っ。)」

うっうっうまーーーーーーーーい!!!!!
麦芽感がハンパない。めっちゃ濃い~よ。いいです。美味いですよ(泣)。
ファーストアタックは甘さがガッツンと。そしてボディー感がおりゃりゃりゃりゃ~っと。
甘さは上記香りのところで書いたものをそのまま味わいにしたという感じ。
ハチミツや花、その他非常に複雑な味わいがからみ合います。
ホップの香りも程良く、苦味は強いと表現される事が多いが(確かに苦いのだが)やはりこの甘さと香りに融合されトータルバランスとしてはめちゃくちゃ良く苦味が強いという印象はあまり受けない。

アルコール感もかなり強め。でもやはり甘さがそれを包み込んでうまく融合している。まろやかですらある。
そしてロングラスティングテイスト。いつまでも余韻が残ります。
最後に残る苦味を考慮するとやっぱりドライという表現を使わざるをえないのかな。
ドライ?。んー、ドライだけど。なんて言うんだろ、この香り全てが全てを包み込んでいる感じ。
ドライ感よりはボディー感が支配する。メッチャ濃いーし。ガツンとくる。そんな印象です。

炭酸は少なめでとてもやさしいしかし輪郭のあるシュワシュワ感がたまらない。
特筆すべきはこのビールをかなりの長時間(数時間)ほかっておいてもしっかりと炭酸が残っていることと、そして飲みながらビールがぬるくなってくるとさらに香りに花が咲くというところだ。
なんならあえてぬるめに冷やして飲みたい。それくらい高めの温度が合うビール。
真夏でキンキンに冷やしたとしても、飲むほど(ぬるくなっていくほどに)に味わいに花が咲く。
後半では驚くほど違った印象を受けることでしょう。

また瓶底に近づけば近づくほど澱(おり)の量が増えてきてこのオリオリ感もたまりません。

できれば冬に、冷えすぎていないこのビールでゆっくりやりたい。
また上記のように夏場にキンキンに冷やしていても室温でダラダラと暖かくなりながら飲んで欲しい。

そんな印象を受けたビールであります。
オーストラリア最強の一品は伊達じゃない。
ありがとう、クーパーズ。これからもクーパーズ!

クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)

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