クーパーズオリジナルペールエール(緑ラベル)

オーストラリアビールガイドのブログです。

本日ご紹介するビールはこちら。
ジャカジャン!!
クーパーズオリジナルペールエール
クーパーズオリジナルペールエール(緑ラベル)。
本日もオーストラリアンビールの紹介です。

前回のブログ記事で「クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)」というのを紹介しましたが、それと同じメーカーが作るビール。
前回と今回紹介のビールがそのメーカーの2大柱となっているオーストラリアでも超!有名な製品です。

前回のブログ記事(クーパーズスパークリングエール(赤ラベル))ではメーカーのこともかなり詳しく書いておりますので良かったら最初にそちらを参考にしていただきたいのですが、今回もメーカーについてはサラッとおさらいをしてからビールの紹介へと移って行きたいと思います。

ではまずクーパーズブルワリーについて簡単に振り返ってみましょう。
クーパーズブルワリー。オーストラリアの南オーストラリア州、アデレードに本拠地を置く老舗ビールメーカー。
現在でもオーストラリア人の同族による経営が続けられている大手では唯一のオーストラリア直系メーカー。
大樽で一次発酵されたビールの酵母を生きたまま瓶詰め、瓶の中でさらに二次発酵させるという手間暇のかかる伝統の製法を持つ。
その結果ビールの中には澱(オリ)が発生。コレを一緒に飲むことがクーパーズの楽しみ方の一つでもある。
今年(2012年)はクーパーズブルワリー誕生150周年記念の年で大きな盛り上がりも見せている。
オーストラリア最強と表現されることもあったりとコアなファン多い。

と、だいたいこんな感じでしょうか。
とにかく大きな企業ながら手間暇惜しまずしっかりとしたビールを造ることで有名なんです。

ではメーカーの紹介についてはこれくらいに致しましてビールの紹介へと移って行きたいと思います。
本日紹介する製品はクーパーズブルワリーでは1番の売上高を誇る製品、「クーパーズオリジナルペールエール(緑ラベル)」です。
英語では
COOPERS ORIGINAL PALE ALE.

こちらのオリジナルペールエール(緑ラベル)、前回紹介のスパークリングエール(赤ラベル)と同様「エール」と名が付く上面発酵にてつくられるビールとなります。
当然香りや味わいはエール独特のものとなります。
原材料は麦芽とホップのみで副原料や保存料その他添加物を一切使用しないというこだわりをみせます。
スパークリングエール(赤ラベル)と同様製造されてから時間が経つと若干味わいに変化が見られます。
今回入手できたのはどうやら製造後それほど期間が立っていない新しい目のものだと想像できます。荒削りなワイルドな味わいがあるのではないかと期待しております。
アルコール度数は4.5%。オーストラリアビールでは一般的な強さです。
それではビールの外観から少しずつ本製品にアプローチしていきましょう。

濃い緑色に丸いラベルが目印、クーパーズオリジナルペールエール。
印象的なカラー、真ん中には「BOTTLE FERMENTED」の文字が。瓶の中で2次醗酵することを示しています。
クーパーズオリジナルペールエール

ビールを上から見たところ。王冠にはCoopersの文字が。この字体も長く愛されてきているもの。
クーパーズオリジナルペールエール

アルコール度数は4.5%。1.3スタンダードドリンク
オーストラリアでは一般的な度数だ。
クーパーズオリジナルペールエール

南オーストラリア州で作られボトリングされるビール。357ml入り。
クーパーズオリジナルペールエール

インターネット販売などでは日本国内でも購入可能。
輸入ビールにはこのように日本語の説明が付く。
クーパーズオリジナルペールエール

保存してあったビールを揺すらないように持ち上げ光に当てて透かしてみた。
オリは沈殿しておりこの段階では非常に澄んだビールであるかの印象を受ける。
クーパーズオリジナルペールエール

別の角度で撮影。あちら側が透けて見える。
クーパーズオリジナルペールエール

瓶を逆さまに向けてみる。オリが液体の中を漂いはじめた。
若干つぶつぶが見えるが前回紹介したスパークリングエール(赤ラベル)ほどの粒子感、カスっぽさは無く全体的に濁っただけという印象。
クーパーズオリジナルペールエール

にごり酒のように全体に細かいパウダーが溶けているようなにごり方。
瓶の色があるにもかかわらずなんとなく白く濁った液体だと想像できる。
クーパーズオリジナルペールエール

クーパーズのビール。栓を抜く前にしなければならないこと。
それは瓶を倒しコロコロと転がすことである。こうすることによってオリが液体全体に行き渡る。
澱(おり)を楽しむことがクーパーズを楽しむことでもある。
そ~っと逆さまにして澱を行き渡らせるのは正しい方法とはされていない。クーパーズではあくまでも瓶を倒してコロコロと転がす。
これが儀式なのである。
クーパーズオリジナルペールエール

栓を抜くのに栓抜きは必要ない。ちょっと力を入れて王冠を回せば抜ける。
クーパーズオリジナルペールエール

グラスへ注ぐ。やはりオリを一緒にグラスへ注ぎたいために一気にやや激しく注ぐ。
綺麗にオリが液体に混ざった。
一見小麦のビールのような印象を受ける濁り具合。
泡もいい感じに入った。泡のクリーミーさはそれほどあるわけではなかった。
クーパーズオリジナルペールエール

グラスに入ったビールを光に透かしてみる。
あちら側が透けては見えないくらいの濁り加減。程よく炭酸の泡が立ち上る。よい。
クーパーズオリジナルペールエール

ではグラスへ注いだところでテイスティングへと移りたいと思います。
まずはその香りを嗅いでみます。

「クンクンクン・・・。」
ほほー。いい香りだ。
前回の赤いラベルのスパークリングエールに比べて華やかさを取り除きワイルドさをプラスしたそんな香りだ。
フルーティーさはかなり抑えられ麦芽の香りが前面に押し出されいてる。後からホップの香りがさらに追いかけてくる。そんな感じ。
若干、酢のような香り、それに悪い意味ではないのですがアンモニアのようなグバッと切り込んだツキーン!と突き抜ける香りが。(って伝わりませんよね)
ん~、香りからだけでもなんだかヤバい。
では飲んでみます。

「グビッ。。ズビズビ、、、。ングッ。。。」
ぷはー。わぁ~。うっまーーーい!
やっぱり香りと味は似ている。最初の香りでは華やかさのないそしてワイルドな印象を受けたが味わいもまさにそんな感じだ。ガツンと一気にくる力強さはそれほどない。

甘みは赤いラベルのスパークリングエールに比べてずっと少ない。
これはむしろ辛口だ。そして甘みが少ない分苦味がよりはっきりとわかりやすい。
ただ純粋な苦味の強さで言えば赤ラベルの方があるだろう。こちら緑ラベルは苦味は弱いがはっきり分かる。それはこのオリジナルペールエール(緑ラベル)が甘み、香りを抑えた仕様になっているからだ。
そしてその苦味もこれまたウメー!!
ガンガン飲み進むのが止まらんぜよ。

さらにオーストラリアビールが持つワイルド感。
それもこちらのほうが断然ある。
圧倒的にある。
おまけにミネラル感が強い。
鉄の味がする。
飲んでいると唾液が徐々に粘性を帯びてくる。汚い話で恐縮だがこの唾液さえも味を帯びてきてそれがとてもミネラリーだ。鉄やヨウ素の味だ。

ボディーはやはり前回紹介の赤ラベル(スパークリングエール)の方がある。あっちのほうがガツンとくる。
対してこちらの緑ラベル(オリジナルペールエール)はミディアムボディ。ミディアムラスティング。
しかしこちらのほうがより男性的だ。

そしてビールを飲んで最も素晴らしいと感じた点、それはこのオリジナルペールエールはエールのしまむら的存在と感じた所だ(わかりにくい例えだなぁ)。(ファッションセンターしまむらさんの事です)
気がつけばそこにある。若干乱暴に扱えてしまう気がする。構えて飲む必要がない。
そんなビールだ。

ことエールとなると特に我々日本人は普段飲み慣れていないためなぜか背筋を正す。
例えばヤッホーブルーイングさんの「よなよなエール」や銀河高原ビールさんのヴァイツェンなんかは、かしこまってゆっくりと贅沢な気分に浸りながら飲まずにはいられない。
それほど完成され尽くしたまるで芸術品のようなビール。

対してこちらクーパーズオリジナルペールエールはもっと大衆感のある気取らずに、少々乱暴な言い方をするとガサツに飲めてしまうエール。
エールなのにガブガブ飲めばいい。
そんな気軽さがある。
これはすごいことだ。
それゆえに少し強めに冷やして飲みたい。
赤ラベルは温かくても美味いと感じたがこちらはそうはいかない。
喉越しで飲んでしまおう。スッキリと飲みやすいそんなエール。
いい意味でものすごく適当。
そういう点ではさすがオーストラリアのビールメーカーだと感じたし、赤いラベルと緑のラベルでは見事に味わいを分けてきている。
状況に応じて、好みに応じて飲み分けるそういったことが可能だ。
こんなエールはやはりなかなかないと感じだ。
そういう意味ではさすがクーパーズと脱帽せざるを得ない。
ありがとうクーパーズ。やっぱりクーパーズ!
クーパーズオリジナルペールエール

実はこちらのクーパーズオリジナルペールエール(緑ラベル)はスパークリングエール(赤ラベル)と同時に比べながら飲みました。
2つの味わいを見分けるためにもコーヒーや、梅干しで口をリセットしながら飲んでみましたとさ。
クーパーズオリジナルペールエール

めでたしめでたし。

それからもう少し形式ばったいわゆるオフィシャル的な紹介は「オーストラリアビールガイド クーパーズオリジナルペールエール(緑)」(別ウィンドウ)のページを参考になさってください

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