VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

オーストラリアビールガイドのブログ。
本日紹介するビールはこちら。
ジャカジャン!!
VALE/ALE(ベールエール)です。

VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

ベールエールは、南オーストラリア州にあるワイン産地では超!有名なリージョン(ワイナリーも超!多い)、「マクラーレンベール」という地域に本拠地を置く新進気鋭(よくいみわかんないけど)のクラフトビール会社「Mclaren Vale Beer Company(マクラーレンベールビアカンパニー)」によって醸造されるフラグシップ製品の1つ。

商品の説明をする前にまずはこのビール会社の事を少々ご案内させていただきましょう。
そもそもオーストラリアのビール業界は完全な寡占状態となっており超大手3社(フォスターズグループ、ライオンネイサン、クーパーズブルワリー)以外が作るビールはまぁ、だいたいクラフトビールなどと呼ばれているわけなんです。
そのクラフトビールを作る会社は概ね「ビールは少量生産、ただし素材や味にこだわっていますよー。」と言った感じを打ち出しているわけなんです。
日本で言えば地ビールのような位置づけですが、オーストラリアのクラフトビール会社はもっとしっかりとした大規模な会社もたくさんあります(というか有名どころはやはり、結構大規模なところが多い)。

ただ、よくよく見るとクラフトビール会社とうたっておきながら上記3社のうちのいずれかの傘下だったりすることもあったりして、オーストラリアのビール会社の構造は一筋縄では語れないものがあるんです。
で、このマクラーレンベールビアカンパニーはどこの傘下でもない完全独立系の小さなビール会社さん。
それなのにめちゃくちゃうまいビールを造るということで数多くのビール品評会で優勝、入賞を果たしました。
その結果2008年に創業された会社にも関わらず現在では、オーストラリアのビールファンではその名前を知らないものはいない。それくらいあっという間に有名になってしまった会社なのです。

さてそんな会社が造るこちらのベールエールという製品。
その名の通り「エール」というタイプに分類されるこのビールは日本で皆様が一般的に飲むものよりフルーティーで香りが高くしっかりとした苦味があることが特徴となっております。
ちなみに日本のビールのほぼ全ては
■「ラガー」タイプの「ピルスナー」スタイル
というものに分類されるとご認識いただけますとこれ幸いでございます。

でエールというものも色々と種類はあるのですが、このベールエールは「オーストラリアンペールエール」というものに分類されるとうたわれております。
「オーストラリアンペールエール」とはまぁ、オーストラリアで独自の進化遂げた「エール」と思って頂ければよいのですが、正確な定義は各メーカー曖昧で醸造者がこれは「オーストラリアンペールエールなのだ!」といえばまさにそれは「オーストラリアンペールエール」なわけなのです(笑)。

細かい話で恐縮ですが商品名は
「ベ」から始まる「ベールエール」です。同社の産地でありますマクラーレンベールと、ビールの分類の名称「ペールエール」がかけてあるものだと思われます。はい。

前置きが長くなってしまいました。
それではいつものようにまずは外観からだんだんとビールにクローズアップしていきましょう。

ベールエール正面
全体を黒っぽくまとめた非常に落ち着きあるボトル。
ラベルに描かれる6個の白い丸は、マクラーレンベールビアカンパニーのトレードマーク。
これは、このマクラーレンベールがワイン産地としても国内屈指の場所であることからブドウのマークを模したもとなります。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

ベールエールは小さなボトル、スタビーとよばれるサイズのみで内容量は330ml。
写真右側はロングネックという750mlの瓶です。
ちなみに一般的なスタビーの容量は375mlなのですが、クラフトビールでは330mlもよく使われております。
MELBOURNE BITTER(メルボルンビター)
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

裏面はこんな感じ。
上の方はビールの説明。
「ベールエールは品評会にて優勝したことのあるオーストラリアンエールである。麦芽とホップ、酵母菌のバランスがよく手作りされている。フルーティーで濁っていてホップ感あるエールはフレッシュでクリスプな後味を実現した程よいビールだ。旨味を最大限引き出すために飲む前はビール瓶を転がし、大きめのグラスに注いでお楽しみ下さい。」
と書かれている。(適当な翻訳お許し下さい。)
ビール瓶を転がせと言うのは、澱(オリ)が含まれていることを伺わせる一文です。
その下の方は住所。
更にグラスの絵の中に「1.2」とある。これはスタンダードドリンクが1.2という意味。
アルコールは4.5%とある。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

ビール瓶の上の方にはシールや記載など何もなくスッキリした感じ。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

ビール瓶の王冠はこんな感じ。
マクラーレンベールビアカンパニーのロゴが印刷されている。
シンプルだけどかわいい絵だ。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

ビール瓶を透かしてみるとこんな感じ。
ビールの中に小さなツブツブというかカス(失礼)と言うかゴミ(失礼)が浮いているのがお分かりいただけますでしょうか。
これは「澱(おり)」といってビール瓶を瓶詰めする際に酵母も生きたまま瓶へ入れ、更に瓶の中で二次発酵させるという製法の場合にできたりします。
過去に「クーパーズスパークリングエール」をこのブログの中でも紹介しておりますが、オーストラリアのビールでオリがあるもので有名なのはこのクーパーズのビールだったりします。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

それではビールを注いでいきたいと思います。
通常手でひねれば栓が抜けるオーストラリアビールですが、このベールエールは栓抜きが必要でした。
それでは「シュポンッ!」っと。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

やや激し目に泡が出るように注ぎます
うりゃりゃりゃりゃーーーーーーーー!
っと。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

泡加減は非常に極めが細かくモコモコとよい感じに仕上がりました。
ビールの色合いはどうでしょうか。
ややオレンジがかっておりかつ深みがありながらも明るい色合い。
とても美しいです。
それでいて写真ではあま写りませんでしたが細かい澱も散りばめられてまるで都会に降る一時の雪のよう。
センチな気持ちにさせてくれます。
炭酸はクラフトビールの中では多いのではと思わせるが如くたくさんの泡が液体の中から現れては上方へ立ち上り、表面に浮かぶ泡の一員となっていくのでした。ピリピリ感強そうです。
とにかくすんげーうまそう。
早く飲みたい。
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

まずは香りをかいで見る。
だらだと記録を撮っているうちに泡は消え失せてしまいました。
私の記憶もいつかみんなの心から消えてしまうので・・
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

どうでもいいことはおいといて。におい、いきます。
「クンクン。ス~~~~ッ(鼻から息を吸い込む音)。」
おおおぉー。!!!!スゴイぞこれは。

まずはめちゃくちゃ甘い香り。めちゃジューシー。
パインジュースにお花畑の蜜の香りだよ。
これって麦芽だよねこんなに甘い香り出せるんだなぁ。というのが第一印象。
そして続いてホップでしょう。柑橘系、シトラスかねこれは。そういうすっきり感が最後漂ってくる。
とにかく香りだけでも濃密でとんでもないビールだということが伺える。
本当にジューシーでオーストラリアの砂漠や土を思わせるワイルド感は全くありません。
本当にオーストラリア人が作ったのでしょうか?(失礼)と思わせる繊細かつ上品な香り。
まとめると「これジュースじゃん?」的な香り。ヤバイ。

それではいよいよ飲みます。
かんぱーい!
VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)
?「グビっ!ズビズビズビ、、、。ごっくん。。。スーン(鼻から息を 抜く音)。」

「んんん~~~。。うぅあー、、、。な~んだこれは。これはー。柑橘系ジュースだね。とんでもないエールだよ。これはー・・。。。今までに飲んだこと無いエールだね。」
というのが後から聴いた録音で本当にしゃべっていた感想(笑)。

おそらく日本のピルスナービール(いわゆる普通のビール)しか飲んだこと無い方はド肝を抜かれるというか、違和感で「ん~。これってビールじゃなくねぇ?」的な感想になるかもしれない。
非常にとんがっている味わいかつ方向性だ。
最初に香りをかいだ印象。それをそのままのイメージで味に投影しそれをさらに凝縮した味わい。
それがこのベールエールだ。
その昔「エール」というのはビールに分類されず「エール」というアルコール飲料に分類されていたそうだがまさにエールとは別種類のアルコール飲料であると納得させられてしまう。

ではもう少し味わいを細かく分析していこう。
まず最初に口に含んだ印象はとにかくスッキリとしたビールだというものだ。。
最初から爽やかな香りにグレープフルーツの皮の苦味が心地よくやってくる。
ミディアムボディーでありながらしっかりとしたコクがあり、口の中に含んだ後次第にしっかりとした濃密な甘さをもつ味わいの輪郭(レモンジューズ・はちみつを塗った焼きトースト)がやってくる(といいつつ、この間ほんの一瞬)。
更に後押しするのが非常にジューシーなみずみずしい感覚だ。しかしこれは甘さにコテコテということではなく最高に飲みやすいものである。
オーストラリアの大量生産ビール特有のムギムギしさ、大地の香りなどは全くない。
しっかりとした炭酸の強さが爽やかさを更に演出、更にふたくち目、ミクチ目をすぐに催促させる。
また後味にもしっかりとした苦味が、これもまたグレープフルーツの皮。皮を向いた時に内側に付いている分厚くてふわふわした白い部分の所。あれをガッツリ噛んだような苦さ。嫌な酸味などは一切開くメチャウマイ。
エールといえばやや高めの温度でというのが一般的かもしれないが、我々日本人はこれはうんと冷やしてガブ飲みするのが良い。
料理とは勿体無くて合わせたくない。ビールだけでストレートに一気飲み。間違いなく一瞬で飲み干せる、飲み干したくなるビール。
そんな飲み方が合うと思う。
最後に私はこう言おう。
これはジュースです!

このベールエール本気でオーストラリアのクラフトビール界の底力をみた。
驚くべきビールとしてこれからも私の記憶に刻まれていくことだろう。
やべーぞ、オーストラリアクラフトビール界!
そんなオーストラリア界に乾杯!
今回も適当なかきなぐり感がありますがどうぞお許し下さい。

VALE/ALE(ベールエール) (マクラーレンベールビアカンパニー)

ありがとうMclaren Vale Beer Company(マクラーレンベールビアカンパニー) VALE/ALE(ベールエール)!
これからもMclaren Vale Beer Company(マクラーレンベールビアカンパニー) VALE/ALE(ベールエール)!

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