オーストラリアビールガイドのブログ
本日紹介するビールはこちら。
ジャカジャン!!
グランドキリンのシリーズから
GRAND KIRIN JPR(グランドキリン ジャパン・ペールラガー)
GRAND KIRIN IPA(グランドキリン インディア・ペールエール)
GRAND KIRIN WHITE ALE(グランドキリン ホワイトエール)
の3本です。
皆様はキリンビールからグランドキリンというシリーズが出ているのをご存知でしょうか。
そのコンセプトは「とことんこだわった日本のビールを、皆様に届けたい ~中略~ キリンのクラフトマンシップで、日本のビールをもっと面白くしたい。 以下略」と言うものです。
一番絞りやキリンラガーだけではなくて私達も「攻めている」よと言うやる気がビシビシ伝わってきます。
ちなみにキリンビールの本体、キリンホールディングスさんですが、3社寡占状態となっているオーストラリアのビールシーンにおいて、超巨大ビール会社の1つライオンネイサン(Lion Nathan)のオーナー会社でもありまして、是非とも応援したいところであります。
閑話休題。
このグランドキリンのシリーズですが定期的に商品が入れ替わっており2018年現在で手に入る物は4種類のみ。
そのうちの3種類、上記記載のある通りジャパンペールラガー(JPL)と、IPA、ホワイトエールを飲み比べしレビューいたしたいと思います。
各ビールスタイルの特徴
ちなみにそれぞれのビールの特徴を簡単に紹介します。
ジャパンペールラガー(JPL)
JPLはその名に「ジャパン」がつく通り日本の麦芽とホップを使用したラガー。ホップは「一部使用」とのことですべての原材料が国産なわけではありませんが、引き締まった苦味と心地よい余韻を楽しめるよう造られております。
IPA
IPAは日本でもビールのスタイルとして名前がやや定着してきている感のあるインディアペールエール。柑橘系の爽やかさに甘く熟した香り、フルーティーで上質な苦味が特徴。
ホワイトエール
ホワイトエールは普段あまり馴染みの無いビールのスタイルかもしれません。
ビールで「ホワイト」と名が付く場合はまず「小麦が使用されている」と考えて間違いありません。
小麦は麦芽化していたりしていなかったりもします。
また海外(特にベルギー)のホワイトビールはコリアンダーやオレンジ等の副原料が含まれることが有りますが、このグランドキリンのホワイトエールは麦芽(大麦・小麦)とホップのみで造られております。
また「エール」と名前がつきますからその醸造方法は「上面発酵」といものであることがわかります。
では前置きはこれくらいにして外観からビールへと迫っていきたいと思います。
↑ 左から「ジャパン・ペールラガー(JPL)」、「インディア・ペールエール(IPA)」、「ホワイトエール」。
ビビッドでかつとてもかわいい色合い、さらにイカしたフォントで「GRAND KIRIN」の文字。
ちなみにこのグランドキリンシリーズかつては瓶でのみ存在し、2017年末頃にコンビニ限定でこれら缶のシリーズが登場しました。
瓶だった頃は全然飲もうと思わなかったのに、缶になった途端このイカしたデザインで急に飲みたくなったのです。
今後も缶で出したほうが売れると感じております。はい。
↑ 横から見たところ。
JPLがアルコール6%と高アルコール。それ以外も5.5%となかなかの度数を見せる。
↑ 反対の横。普通。
↑ 上から見たところ。プルトップも普通。
しかしカッコ可愛いデザインだ。イカしてるゼ。
それではそれぞれのビールをグラスにぐわーーーーっと、注いでテイスティングへと移っていきます。
↑ JPLをぐわーーーーっと。
↑ IPAをぐわーーーーっと。
↑ ホワイトエールをぐわーーーーっと。
では見た目はいかがでしょうか。
液体の色合いは光加減を抜いて見た場合でもIPAが最も濃く順にJPL、ホワイトエールへと続く。
IPAはやはり色合いからも、味が濃いめなのかなと想像させる。
逆にホワイトエールはその名の通りやはりやや色合いが薄め。
この時のコンディションにもよるのかもしれないがJPLとホワイトエールからはたくさんの気泡が立ち上り、IPAはやや抑えた泡加減を見せてくれました。
次に上から泡を見てみます。
↑ JPLの泡。 ピントがあってねー。
↑ IPAの泡。
やや荒い泡加減。 ただ表面を除けばその下には細かな優しい泡が待ち受けておりました。
↑ホワイトエールの泡。
こちらも表面はあら目でポコポコした感じのそれですが、その下にはきめ細かな泡が美味しそうに蓋の役目を果たしております。
香り
それではそれぞれの香りへと移っていきます。
まずはJPLから。
「クンクン。ス~~~~ッ(鼻から息を吸い込む音)。」(グランドキリン JPLを香る)
ぐわあぁああ!!
凝縮された麦芽の香りからの優しいホップ感。マイルドなグラッシー。そして柑橘・蜜の甘さが後から追いかける。嫌味は一切なく非常に香り高い高級感。早く飲みたい。
次にIPA。
「クンクン。ス~~~~ッ(鼻から息を吸い込む音)。」(グランドキリン IPAを香る)
わおっ。
非常にグラッシーグラッシーの大草原ロールプレーイングな広さ。その後にグレープフルーツの皮の白いところをギュッとかじった香りが追いかけます。
爽やかな切なさを余韻として残しフッっと消えていく。
早く飲みたい。
最後。ホワイトエール。
「クンクン。ス~~~~ッ(鼻から息を吸い込む音)。」(グランドキリン ホワイトエールを香る)
ぬぉおおお。
上のIPAをもっと華やかに花を咲かせ全方向にその香りを散りばめた強烈なグラッシーフルーティネス。この3種類の中では一番ふくよかな香りを残しています。
香りに関しては全方向とか、ふくよかなと言っておりますが、コンセプト的方向性は非常にとんがっている。指向性ビームのようにとんがっている印象だ。
ヴァイツェン等のホワイトビール的香りを想像したら全然違います。ホワイトビールといえばどこかバナナ的要素のある香りですがそれよりは柑橘系、グラッシーな方向にうんと寄っています。
とにかく早く飲みたい。
麦芽感が最も強いのがJPL。そしてIPA、ホワイトエールは華やかなフルーティネス。強烈なのはホワイトエール。そんなまとめです。
香りだけでも上記3種類ビールの底力が伺えます。これは早く飲まずにはいられません。
グランドキリン味わい
それでは実際にテイスティングヘ移っていきます。
↑ まずはJPLから。
かんぱーい。
「グビっ!ズビズビズビ、、、。ごっくん。。。スーン(鼻から息を 抜く音)。」
うぉあああああー。うまいー。
飲んでみてもやっぱり強烈なる麦芽感。
甘みは無くドライでしっかりとした、そう驚くほど太い芯、ボディーがありピュアな旨味がグワッグワッとやってきます。そして後味も麦の太いボディーがしっかりとあります。
キリンさんよくここまでやったなぁと感心します。
苦味は最初口にした瞬間からしっかりとしたものが、そして飲み終わりにも輪郭のある旨味苦味がしっかりとボディー感を残しながらそれを主張。
嫌な酸味無し。変なアルコール感もなし。
これは冷し過ぎない方が味わいがよくわかり間違いなくうまい。
ご飯と合わせるのはもったいないけど、ご飯と一緒に飲んだら絶対うまいし、やっぱりご飯食べながら飲みたい。それは贅沢な一時になること間違い無し。
すげーうまいぞ。では続いてIPAいきます。
↑ 次。IPA。カンパーイ!!
「グビっ!ズビズビズビ、、、。ごっくん。。。スーン(鼻から息を 抜く音)。」
うぅぅううう、うま、旨い苦味がーーー!
苦味が強いのがファーストインプレッション。
優しい麦芽の後に強烈な香りのホップがふわ~ーっと口の中そして鼻に立ち上ります。
良い苦味です。
甘み、やアルコール感はそんなに強くありません。
酸味ではありませんが、いい意味でスカッ!と喉を刺激する良さがあります。
とにかく苦味がいい。最初から最後鼻に抜ける苦味まで。そのすべての苦味を愛せるくらい良いです。
麦芽感は強くないけどフルボディー。
やや高い温度のほうが香りが開くのでしょうけどIPAを飲みなれていない日本人はぐっと冷やしても間違いなく美味しいです。
総評。非常に苦い!
はい。次、ホワイトエールいきます。
↑ 次。ホワイトエール。いただきまーす。カンパーイ!!
「グビっ!ズビズビズビ、、、。ごっくん。。。スーン(鼻から息を 抜く音)。」
がーーーー!!!
香りがそのまま味に来る。
尖った味が突き刺さるぜ。めちゃくちゃうまい。
ただ、ホワイトエールって言ってるけど、いわゆる「ヴァイツェン」的な白ビールとはまた味わいが違う。
どちらかと言うと上のIPAに非常に似ており、さらに味わいを狭くしてとんがらせた。そういう方向性。こちらはやや軽めなミディアムボディーです。
ホワイトビールと言うと通常濁ったビールを想像しますが、こちらはしっかりと透き通っていますしね。
ただこの缶に記載されている「白ワインのような」という表記ほど、私には白ワインを感じられませんでした。非常にとがった味わいであることは認めます。はい。
後味はやや軽め。
これも少し高めの温度、香りの花を咲かせて飲んでいただきたいのですが、やっぱり日本人はキンキン冷やすのが好きかな。
3つの中ではジャパンペールラガー(JPL)がよくできているという感じ。
エールはどちらかと言うとその製法(上面発酵)からごまかしが効くのではないかと感じますが※1、香りがそれほど高くないラガーはそういうものが一切通じないのではないでしょうか。
非常にじっくりと仕込まれ旨味を抽出した、それがJPL。
そして最後にもう一度このJPLを飲んでみたらなんと、温度が上がって優しい甘さを感じるではありませんか。
時間の経過とともに味わいが変わる、これもうまく作られたビールに於ける楽しみの1つかもしれません。
IPAとホワイトエールはその強烈な個性から食事と一緒にと言うよりは軽いナッツなどと昼間から贅沢なひと時を飾るのにぴったりなビールだと考えます。
※1:このグランドキリンがごまかして作ってあるという意味では一切ありません。
普段は安い第三のビールでも、特別なときにはこのグランドキリンが更にその瞬間を特別なものにしてくれることでしょう。
少し前の記事にて「キリン のどごしスペシャルタイム」をレビューした祭、「キリンさんの第三のビール(新ジャンル)はいつもマズイと思う。」的にコケおろしてしまっておりますが、通常のビールやこのプレミアムビールはとんでもなく旨いと思うものが勢揃い。
そこはさすがだと感謝せずにはいられません。
これからも贅沢なひと時にはこの、グランドキリンにお世話になることでしょう。
ありがとうグランドキリン「ジャパン・ペールラガー(JPL)」、「インディア・ペールエール(IPA)」、「ホワイトエール」!
これからもグランドキリン「ジャパン・ペールラガー(JPL)」、「インディア・ペールエール(IPA)」、「ホワイトエール」!