クーパーズベストエクストラスタウト

オーストラリアビールガイドのブログ。

本日ご紹介するビールはこちらとなります。
ジャカジャン!!!
クーパーズベストエクストラスタウト
クーパーズベストエクストラスタウト(COOPERS BEST EXTRA STOUT)。
本日もオーストラリアンビール、前回に引き続きクーパーズシリーズの紹介です。

前回、前々回のブログ記事もクーパーズシリーズの「クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)」、「クーパーズオリジナルペールエール(緑ラベル)」というのを紹介しましたが、それと同じメーカーが作る同じシリーズのビール。
こちらも超有名な製品となります。

本来では過去2回の赤ラベル、緑ラベルに続き、オレンジラベルなんて形容され弟分にあたる商品がありますのでそちらを持ってくるかとおもいきやいきなりスタウトの紹介にしました。
今回のビールもかなり濃い内容でお送りしたいと思います。

今回はメーカーであるクーパーズブルワリーについての説明は省きたいと思います。
それらにつきましてはオーストラリアビールガイド内にあるメーカー紹介ページ「クーパーズブルワリー(別ウィンドウ)」のページや、前々回のブログ記事「クーパーズスパークリングエール(赤ラベル)」、また前回のブログ記事「クーパーズオリジナルペールエール(緑ラベル)」を参考にして頂ければ幸いでございます。

それではビールの紹介に移りたいと思います。
クーパーズベストエクストラスタウト(COOPERS BEST EXTRA STOUT)。
クーパーズが自信を持って作り上げるビールでスタウトとよばれる種類に分類されるものとなります。
その名前の中に「ベスト」そして「エクストラ」という、文字を含む事からもその自信の程がうかがえます。

スタウトというと即座に「黒ビール」と認識される方が多いかと思います。
日本国内では下面発酵と呼ばれる製法でつくられる「ラガータイプ」のビールでも色が黒いものはまとめて黒ビールと表現される事が多く若干注意が必要となります。
(「キリン一番搾りスタウト」や「アサヒスーパードライブラック」はラガータイプの黒ビールとなります。)

スタウトを正しくいうと、上面発酵にてつくられる黒いビールとなります※1
深くローストされた麦芽を使用することにより見事なまでの黒色を呈し、香ばしい味・香りや、同じく上面発酵にてつくられる「エール」と呼ばれるビールのように複雑な味わいが楽しめるというのが大きな特徴と言えるでしょう。

※1:
日本国内のでは下面発酵ラガータイプのビールであっても公正競争規約により「スタウト」を名乗ることができるが世界一般ではそうではない。オーストラリアのビールも下面発酵ではスタウトを名乗ることはできません。

さらにこちらの「ベストエクストラスタウト」、麦芽の使用量が一般的なビールより数倍とかなり多めにとられていることで味わいに深みパンチを与えることに成功しているようです。ガツンとくる濃い味わいが特徴なのでしょうか?楽しみです。
また、クーパーズお得意の瓶の中2次醗酵させる製法にてつくられており、特にこのスタウトは若干時間をおいたほうが深みが出て美味いという方もおられ、条件さえ良ければ1年~2年ほどは熟成させることが可能だといいます。
今回入手できたのはどうやらまだそれほど時期が経っていないものだと想像されます。
若い味わいというのはまたその良さがあり、私個人的には好きなので問題ありません。
このようなところもクーパーズのビールを楽しむ醍醐味でもあろうかと思います。ホント、ワインみたいな感じですね。
ではテイスティングの前に見た目から少しずつ本製品にアタックしていきたいと思います。

クーパーズベストエクストラスタウト
やまぶき色とでも言おうかやや深みのある黄色に丸いラベルが目印もはこの丸いラベルはクーパーズの顔となっている。

クーパーズベストエクストラスタウト
王冠を真上から見てみた。筆記体で書かれるクーパーズの文字がクールだ。

クーパーズベストエクストラスタウト
アルコール度数は6.3%。さすがはスタウトかなり度数になる。
スタンダードドリンクは1.9とある。

クーパーズベストエクストラスタウト
南オーストラリア州でつくられる。内容量は357mlだ。

クーパーズベストエクストラスタウト
ビール瓶を光に透かしてみた。
実はこの瓶自体は真っ黒で光を通さないものではなく、一般的な茶色い透明なものだ。
しかし中身のビールが非常に濃いためこのようにあちら側は全く見えない。非常に濃い液体が入っていることが予想される。

クーパーズベストエクストラスタウト
別の角度でさらに強い光を当ててみる。やはりあちら側は全く透けない。

クーパーズベストエクストラスタウト
クーパーズのビールを飲む前には必ずこのように瓶を倒しコロコロと転がさなくてはならない。
瓶の中で2次醗酵された際に発生する澱を液体液体全体に行き渡らせるためだ。
澱(おり)一緒にを楽しむこと、それはクーパーズを楽しむことである。

クーパーズベストエクストラスタウト
ビール瓶の栓は、王冠をギュッとひねれば取れる仕組みになっている。
栓抜きは必要なし。

クーパーズベストエクストラスタウト
グラスへ注いでみた。泡も一緒に楽しみたかったためやや激しく注ぐ。
なんだこれはというほど液体の色が濃い。かの有名なギネスをも上回るのではないかと思われる。
まさに漆黒だ。
またその泡も黒みがかって茶色になっている。この段階でスタウトの良い香りが立ち上っている。
早く飲みたい。

クーパーズベストエクストラスタウト
グラスに入ったビール。やはり色合いはかなり濃い。

クーパーズベストエクストラスタウト
光に透かしてみた。あちら側の光は一切通さない。ん~。濃い、濃いスタウトだ。
本当に黒い。黒光りという表現がピッタリ。

クーパーズベストエクストラスタウト
泡を上から撮影してみるとこんな感じ。かなりきめ細かい泡、立ち上る炭酸によりポコポコと穴が空く。
液体を流れる泡はまるでシャンパンのようだ。

それではやっとのことでテイスティングへ移って行きたいと思います。
おっとそのまえにまずは香りから。
においを嗅いでみる。

「クンクン、ス~ッ、、と。」

来たねぇ~これ。いきなり来ましたよ。
コーヒー、ナッツ、ビータチョコの香りですね。わかりやすいです。
そんなにおいに香ばしさと酸味(味じゃなくて匂いだけど)をプラスしたのがガッツリきます。においだけでもノックアウトされそう。
いい、ホントいいよ。

それでは飲んでみます。

「ズビズビ、、、。グウィングウィン。。。。ごくん。。(スーーーン)←鼻から息を抜く音」

ぐわー。
思ったより軽い~!
めちゃくちゃこってりコテコテ系を想像していたのにその逆サッパリ系。意表を突かれた~~。
こう来たかぁ~。
が第一印象でした。意表を突かれはしました。が、やっぱりめちゃくちゃウマイ。ウマイですよ。
味わい一つ一つに関してもう少し分析していきたいと思います。

まず飲み口はホント爽やかですっきりしている。
それでいてスタウトの味わいがしっかり出ている。その味はやはり香りで感じたものをそのまま引き継いでいる。
コーヒーやナッツ、深入りビターチョコレートの立ち上るフレーバー、そこにカラメルや黒糖的甘さが軽く追いかけます。
ボディーはミディアムで軽めではあるがロングラスティングテイスト。口の中にしっかりと良い余韻が続きます。

スタウトでは多いかもしれませんが炭酸は比較的弱め。それでもスッキリ飲めるのはこのビール本来の持つ味わいがしっかりしているからにほかなりません。
黒ビールで人によっては時々「酸味がある」感じられる方もおられるかと思いますが、こちらのベストエクストラスタウトにもわずかながらに程よい酸味を感じます。
また苦味は非常に軽く嫌味はまるでない。あくまでもエール系の複雑爽やかかつ香ばし系、これに尽きる味わいとなっております。

また飲み終わりに訪れる複雑怪奇摩訶不思議な香りがとても良くすぐに次の一口へと進む手が止まりませんでした。
テイスティングをしている私も殆ど間を開けずに飲み干してしまいました。
「あ゛~~~~~。もう一本買っておくんだったァ~~~(涙)。」
となった時にはすでに遅し、グラスに残った僅かな泡を舐めることしかできませんでした(意地汚い)。

コッテリ系、サッパリ系と分けるならば完全にサッパリ系。
しかしワインが何でもかんでもフルボディが良いというものでは無いように、このエクストラスタウトさっぱりでも本当にばらしいビールであることは間違いありません。
一方、アルコール度数に目を向けると6.3%となっておりこれはなかなか恐ろしい数値となっています。
その強いアルコール感も旨みや香りの中に完全に包まれておりアルコール臭いといったことは一切なくスッキリ飲まされてしまいます。
ほぼ一気に飲み干してしまった私、もともとお酒は弱いため一気に酔っ払ってしまいました(笑)。

で、トータルで見るとこのスタウト。本当~に出来がよく一点の濁りもない非常にピュアなスタウトと言えるでしょう。
ビアサーバーから注がれるものではなく、缶や瓶で販売されているギネスとこのクーパーズベストエクストラスタウトを比べた場合ではこちらの勝ちです。
ギネスさんも大好きですがスミマセン。ギネスさんよりもこちらの方が美味いです。

それから上の方でクーパーズのビールは澱(オリ)があるので瓶をコロコロと転がしてから飲むと書いております。
確かにクーパーズのビールはこうして飲むのがある意味ルールなのですがこのベストエクストラスタウトにオリは殆ど含まれておりませんでした。
このビールがまだ若いためなのか、それとももともとこの製品にオリは無いのかはわかりかねますがほんの僅かなオリ以外は非常に綺麗な液体でありました。

そんなこんなでありがとうクーパーズ。これからもクーパーズ!
クーパーズベストエクストラスタウト

ちなみにオーストラリアビールガイド内にもクーパーズベストエクストラスタウト(別ウィンドウ)のページがありますのでよかったら参考になさって下さいませ。

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